車に自動運転技術が導入されたり、家電をIoTで制御することが可能となったり、日常が続々とITに置き換わってきていますが、手書きで文字を書く機会ってなかなか減りませんよね。
それは、手書きが必要な場面がいまだ多く存在するからなのです。

手書きの必要性、不要な手間

例えば公文書であれば、本人である証明のために自著が必須となります。
企業であれば大量に送る封筒の宛名を印刷で行うこともありますが、個人がたった一通の手紙を送るために、PCとプリンターを持ち出して宛名を印刷することは少ないでしょう。
また、手書きはPCのタイピングと比べてスピードが劣ることから、情報の取捨選択を行いながら板書をすることで、タイピングに比べて理解力が深まるとも言われています。

とは言うものの、書類やノート、メモ帳に書かれた内容をPCにアーカイブするようなこともあるでしょう。
プライベートであればそういった作業も楽しめますが、業務上でそのような作業が頻繁に発生すると、効率の面で苦しいものがありますね。
手書き文字をPCに入力する作業は手段でしかなく、その行為自体の意味は薄いです。
入力作業が膨大であるほど、その手間を削減したときの恩恵は計り知れないのです。

AIによる文字認識、「AI-OCR」とは

近年、OCRと呼ばれる技術への注目が高まっています。
OCRとは、別名「光学文字認識」とも呼ばれ、スキャナなどで入力された画像情報の中から、文字の形状に基づいて文字を識別し、コンピュータ上で扱える文字データへと変換する仕組みのことを言います(参照:weblio辞書)。
その中でも、手書き文字の認識までも可能にした「AI-OCR」が、各種事務業務の効率化の面で非常に期待をされているのです。

※【AIsmiley】に2019年7月3日に掲載された記事より引用しております。
認識率9割以上?!手書き文字認識AIで各種事務作業を効率化

■郵便仕分け機で培った手書き文字認識技術を転用

手書き文字認識技術が長年活用されてきたのは、郵便仕分け機の分野です。郵便番号は決められた枠内に記されていますが、住所についてはほぼ不定形データといってよいでしょう。とくに手書きのものは文字のクセがあって読み取りづらく、文字認識技術の進歩に寄与しました。NECや東芝などは長年この分野で研究をかさね、日本語だけでなく英語やフランス語の読み取りにも成功しています。とくに、海外では郵便番号を記載しなかったり、正式な住所ではなく通り名だけを記されている郵便物も多かったりと、人力での仕訳けでもかなりの手間が必要とのことです。

NEC同サービスでは、特別なスキル無しで多種多様な不定形帳票の読み取りが可能です。納品書等のデータ入力業務では、1ヶ月あたりの帳票データ入力作業時間が人力に比べて75%削減されました。まずは、「活字英数字」から読み取りをスタートし、今後「漢字・手書き文字」等に順次対応していくということです。
(参照:ニュースイッチ 郵便物の住所をAIが判別。東芝、英・仏語にも対応)

AIが人間よりも優れている点は、膨大な情報(ビッグデータ)を学習、分析することで、ある特定の分野においては人間以上のスピードや精度を実現できる点にあります。
当然疲れもありませんから、文字通り機械的に作業を行うことができるのです。

IT技術の導入で、どんどん便利になる私たちの暮らし。
業務の上でも効率化を進め、ワークライフバランスの整った生活を送りたいものですね。

※引用元の記事の主張と、本記事の主張内容は関係ありません
[執筆:ハル・クムラ
[最新更新日:2019年7月17日]