皆さん、二度目まして! 犬バカ・インコバカ・メダカバカの佐助 改め 佐助のおっかあ です。

 先日ついに、販売向け犬・猫へのマイクロチップ装着が義務化されましたね!
 今日は、そのマイクロチップについて、ちょっとだけお話をさせていただこうかと思います。

★マイクロチップとは何ぞや?★

 結論から言ってしまうと、『動物の個体識別を目的として、皮下に埋め込まれる超小型の集積回路(IC)』というヤツです。大きさは直径約2mm、長さは約10mmほど。まぁ、お米の一粒よりちょっと細めで、ちょっと長い、って感じでしょうか。


画像引用元:環境省HP

 これに飼い主の個人情報を記録しておけば、専用の読み取り端末を使ってそれを見ることが出来る、というもの。記録は15ケタの数字で表されます。このあたりがビッグデータに関わってきます。ビッグデータはざっくり簡単に言ってしまえば『情報の集合体』なワケなので。
 人間でいうなら、マイナンバーと似ていると言ってもいいかもですね!

 生体適合ガラスもしくはポリマーで出来ているチップの耐用年数はおよそ30年。15~20年前後生きる犬はもちろん、30年近く生きる個体もいる猫の寿命もカバー可能です。
 これを、首の後ろあたりの皮膚の下に、少し太めの注射器状の器具=インジェクターを使って埋め込む仕組み。・・・何故、首の後ろなのか? おうちにどちらかがいるよ、という方ならおわかりになるかと思うんですが、犬も猫も首の後ろから肩の上あたりまでの皮膚って、少したるんでいるというか・・・掴めるくらいの余裕、ありますよね? これは外敵(他の肉食獣や同種など)と戦って首を噛まれてもすぐ致命傷にならないようにする一種の進化だったりするんですけど、そのあたりであれば動きの邪魔にならないんだそう。
 なお、動作には電池は必要ありません。

 読み取り端末は、動物病院や保健所に主に設置されています。
 まだすべてに置かれているワケではないとのことですが、義務化に伴い設置するところは増えていくと思われます。

 マイクロチップの埋め込みは、アメリカやイギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなどといった『動物愛護先進国』では、既に家庭向けのペットに義務化がされています。きちんと埋め込んでいないとその生物は連れて入国出来ない、というところもあります。
 日本では、これまでに採用されていなかったワケではないのですが・・・【ヒトに危害を与える可能性がある危険な生物】、海外生まれの犬や猫を国内に持ち込む場合には確実な個体識別方法として義務付けられる、というかたちでした。それ以外は、飼い主さんの完全な任意。2018年時点で、ペットとして飼われている犬で約13%猫では3%の普及率だったそうです。
 【ヒトに危害を与える可能性がある危険な生物】が気になる、という方はこちらをご覧ください。

■環境省HP:特定動物(危険な動物)の飼養又は保管の許可について
 
 義務化にあたって、マイクロチップ装着のタイミングは『飼い主に引き渡される前まで』とのこと。具体的には、繁殖業者(ブリーダー)もしくは販売業者が責を負う見通しであるようです。
 既に飼っている方には、装着の努力義務が課されるそう。今はまだ、あくまで『推奨』という段階です。

★マイクロチップを埋め込むメリット★

 「可愛いウチの子のカラダに、そんなモノを埋め込んで・・・何になるの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
 まぁ、まず埋め込みの段階からして痛そうですし(インジェクターの針、直径約2mmを入れるのに使うワケなので・・・お察し)、本当に体に害は無いのか?とか、一体なんの役に立つんだ?とか、疑問も多いのではないでしょうか。

 では、ここで。そのメリットについてをご紹介いたしますね!

・一緒に海外旅行に行ける!

 先程書いたとおり、マイクロチップを装着していない生物が入国出来ない国は、けっこうあります。でもって、そうした国ほど魅力的な旅先だったりもします。
 小さな家族と一緒に海外旅行を楽しみたい!という飼い主さんは是非とも事前のマイクロチップ導入をオススメいたします! 他にも様々な手続きが必要になるので、詳しくはこちらをご覧ください。
■動物検疫所HP:日本から海外への犬、猫の持ち出しについて

 ちなみに日本の場合、海外からマイクロチップ無しのペット(動物)を連れて来ようとすると検疫で180日も拘留されてしまいます。人間はパスポートで国内に入れても、動物だけ止められてしまうワケですね。少し前に話題になったフィギュアスケートを題材としたアニメ『YURI on ICE』では主人公・勇利のコーチとなるロシア人選手ヴィクトルが”マッカチン”という名のスタンダードプードルを連れて来日しますが・・・この子の検疫にものすごーく時間が掛かったという描写が無いので、マッカチンはきっとマイクロチップを装着されていたのでしょう。

・ある意味、究極の『迷子札』

 犬も猫も、だいたい飼い主さんは首輪を着けているかと思います。迷子札はその首輪に後付けしたり、最初から付いていたりなど、いろいろな種類があるのです。ペットショップへ行くと、本当にたくさん品数が。オシャレとして選んであげられる、趣味と実益が両立させられるアイテムだったりもしますね。
 が、この迷子札・・・アグレッシブな子だと文字が消えたり外れて失くしたりは日常茶飯事。筆者の長男こと佐助(犬・♂ 9歳)も、そんな理由で何度も何度も迷子札を紛失してくれました。ちょっとフンパツしてオーダーメイドしてあげた迷子札を一週間で失くされた時は、母はこっそり泣いたぞ佐助よ・・・。

 マイクロチップの場合、外れて失くす、は有り得ません。だって、体の中にあるんですから。ね? これ以上ない、絶対の迷子札でしょう? 
 で、ここからはちょっとシリアスな話。

 飼い主さんの情報がすぐにわかるということは、殺処分されてしまう可能性が減る、という意味合いでもあります。迷子になった場合、その子は信じられないほど遠くまで移動しているかも知れません。あちこち必死に探していたけれど、収容された保健所に辿り着いた時にはもう・・・などという悲劇も、愛しの家族を”戸籍証明”するマイクロチップがあれば格段に減らせるハズです。
 なお、日本で統一して流通しているマイクロチップの規格は、ISO11784/5に準拠しているFDX-Bという規格です。ペット向けの規格は、これだけ。この規格に準じたマイクロチップであれば、登録された情報を表す15ケタの数字は世界共通のものとなります。すっごい規模のビッグデータですね! ただ、非準拠のものもあるそうなので、もし導入時に気になるようでしたら獣医さんに相談してみてください。 
参考文献:公益社団法人 日本獣医師会 ~マイクロチップを用いた動物の個体識別

・防災対策として

 迷子札の延長線上にはなるのですが、地震などの天災が起こって家族と離れ離れになってしまった時の対策としてもマイクロチップは役立つ見込みです。
 実は、我が家の佐助はマイクロチップ導入済みです。その最大の理由が、東日本大震災でした。
 あの時には、人間だけでなく多くのペットも被災しました。辛くも生還したものの何処で誰と暮らしていたのかも、名前さえもいまだにわかっていないペット達があちらこちらで保護されています。
 人間は命があって喋れさえすればだいたい、喋れなかったとしても所持品などから自分が何処の何者なのかを伝えたり、知ることが出来ますが・・・ペット達は喋ることが出来ません。何らかの理由によって首輪が外れてしまった場合には、そこからいろいろ調べることもほぼ不可能になってしまいます。だからこそ、万が一離れ離れになってしまっても安否がなるべく早くわかるように、私達家族のもとに戻って来られるように、そんな願いを込めたマイクロチップが、佐助の首の後ろに入っています。

・泥棒対策としても有効

 日本は、ペット大国であると共に純血種大国でもあります。何故かはわからないのですが、きちんと種類が固定されている個体を好む傾向がみられるのです(特に犬に目立つような・・・)。
 そうなると当然のように人気の品種を『誘拐』、つまりは盗む被害が多発します。
 この時、被害に遭ったペットが無事に見付かったとします。ですが・・・飼い主さんにはウチの子だとすぐに判っても、他の人にとっては見た目だけでは区別が出来ません。ウチの子であると証明するのにひと苦労で、引き渡してもらうのにも時間がかかることでしょう。そんな時にマイクロチップがあれば一発! 読み取り機で数字を読み込み、それを照会して飼い主さんの情報を引き出してもらえば、それが何よりの証明。マイクロチップ装着は、ペットが『我が家の子』である証明=戸籍のようなものなのです。

・相次ぐ動物虐待への、抑制効果

 これは、絶対に効果がある、とは言い切れないそうです。ですが動物虐待に対する厳罰化と併せることで無責任な飼い主や残酷なことを平気でする人に対する牽制となり、そうした人のところに動物が渡ってしまった結果起こる事案を少しでも減らせるのではないかと期待されています。
 動物を心から愛する人は、この効果が少しでも大きく働くように、と祈っているのではないでしょうか? 筆者も、そのひとりです。 

 ここまでは、主なメリット
 「痛くないの?」や「本当に健康に悪影響はないの?」など、素朴な疑問にお答えします!

 まずは「痛み」。インジェクターは針こそ太いですが、刺した時の痛みは普通の皮下注射と同じくらいだそうです。なので基本的には余程の事がない限り、飼い主さんが傍に付いていて頭を撫でたり声を掛けたりしてあげれば大丈夫という場合がほとんど。どうしても心配だという場合は、かかりつけの獣医さんにご相談を。
 ちなみに、マイクロチップ装着は獣医さんだけが行えます。もし不測の事態が起きたとしてもすぐに対応出来る環境下でやるので、安心ですね。

 何処に登録されるのか? 日本国内における登録先は、公益社団法人・日本獣医師会。ココ一択です。
 海外では行政や動物愛護団体、ケネルクラブ(各国において犬種の標準(体格・毛色・毛並みなど)の制定、ドッグショーの開催主導、飼い方の指導などを行う団体)、マイクロチップのメーカーなど様々な登録先があるようですが・・・同じISO規格であれば、データは共通のものとして取り扱われます。

 続いて、健康への影響。マイクロチップの外装は、生体に影響の出ない素材を使用しています。日本における動物へのマイクロチップ導入は1997年頃からですが、それから現在に至るまで動物の健康に悪影響があったという報告は一度も無いとのこと。
 体内で移動してしまうのでは?との心配もあるかと思いますが、そうした事例は非常にまれで、万が一移動が起きてしまっても皮膚下でのこと。筋肉や血管にまで入ってしまうことはないそうです。
 導入済みの我が家の佐助ですが、装着直後から今現在まで首回りを触っても嫌がる様子はなく、普通にごろんごろん転がったりなんだりしています。違和感だとか痛みだとか、そういうモノは感じていない様子。また、こちらがぐいぐい触ってもマイクロチップがここにある、という感触はありません。  


 首輪のちょっと下から肩のあたりの何処かに装着してもらったんですが。
 見た目からも、何処にあるのかさっぱりですね。
 それでも、佐助は間違いなく世界共通の15ケタを手に入れ、間違いなく【我が家の子である】という事実がビッグデータのひとつとして日本獣医師会に登録されています。

 ちなみに、装着にかかる料金マイクロチップ本体のお値段登録料1000円消費税。お願いする獣医さん、自治体、ペットの種類などによって変わってきます。
 我が家の場合、合計で4100円+消費税でした。たったこれだけで一生モノの様々な証明がもらえるのです。事前に一度獣医さんと相談して値段を教えてもらったのですが・・・もっと費用がかかるだろうと考えていただけに、家族揃ってびっくりしました。

★マイクロチップの可能性★

 今はまだ、マイクロチップには『個体識別機能』以外の機能は与えられていません。
 まぁ、もともとそのために開発されたモノなのですが・・・ビッグデータと呼ばれるものとの連携を更に高めて新たな機能を足すとしたなら、どんなものがいいでしょうか?

 筆者のイチオシは、やっぱり『GPS』ですかね。
 子供向けのスマホや携帯に良くあるような、校門や駅の改札など特定の場所を通過した際に保護者の端末にお知らせが届くヤツです。
 アレみたいなモノが出来て、獣医さんのところや自治体の設備、あるいは保健所などでその情報を追える・・・とかが可能になったなら、万が一迷子になった際に迅速にお迎えに行ってあげる事が出来るようになるワケですよ! 

 それから、医療記録なんかも照会出来るようになったら、最高ですね! 
 これも、飼い主さんと離れてしまっている場合、を想定する必要があるのですが・・・ペット達にも高齢化あるいは病態の深刻化・複雑化が叫ばれている今、持病を持っていてそれをなるべく早く治療しなければ命が危ういという事例って少なくないのではないでしょうか。ですが、慣れない環境下では、ペットは本当に症状が深刻になるまで弱っている姿を見せようとはしません。それが本能だからです。
 そんな時に、もしもマイクロチップによる医療記録の照会が可能で、そのマイクロチップをその子が着けていたなら。それだけで、救える命が増えるんです。

 こうした追加機能の開発も、いずれマイクロチップ装着がもっともっと普及してきたなら【有り得る未来】になるかも知れません。
 ビッグデータにはいろいろな種類がありますし、今もまさに増えていますから・・・もっと他にも、飼い主さんやペットにとって便利な機能が追加出来ると思うのです!

★最後に★

 この記事のためにいろいろと調べている間、マイクロチップ装着に否定的な方の意見を見ました。
 いわく、「迷子札で十分。体の中にそんなモノを入れるだなんて可哀想。人間のエゴ。それに、ウチの子は絶対に迷子になんかならない」。

 本当に、そう言い切れますか?

 飼い主さんも人間です。間違いを起こすことも有り得ます。
 それに、いつ何時どんなことが起こるかわからないのも、この世の常です。

 迷子札も犬鑑札も、外れるんです簡単に。我が家では、リードを付ける首輪と迷子札を付ける首輪とを別にしても取れてしまいました。
 悪意ある第三者に首輪ごと外されてしまうかも、知れません。筆者の近所にはとても人懐っこい猫がいたのですが、ある日その子の姿が見えなくなって・・・少し離れた路上に首輪だけが落ちているのを見ました。千切れたのではありません。留め具から綺麗に外れていました。汚れてもいませんでした。恐らくこの子は、あまりにも人懐っこ過ぎたために誘拐されてしまったのでしょう。こうなってしまってはもう、たとえ連れて行った相手が見付かったとしても、その子が誘拐された子だと証明する手立てはありません。
 そういうことだって、あるんです。

 否定派の方にこそ、先に上げたメリットの2つ目、3つ目、4つ目を読んでいただきたい調べていただきたいと、筆者は思います。

 ペットを家族だと言うのなら、考え得るすべての【最悪のパターン】から彼らを守ってあげるのも、飼い主の務めではないでしょうか?
 そして、それらを防ぐ手段のすべてを講じてあげるのも、命を預かる者としての義務なのではないでしょうか?

 最後に重たいことを書いてしまいましたが、特報版はここまで。
 以上、マイクロチップ装着推奨派の 佐助のおっかぁ がお送りしました!

参考元

      

[執筆:佐助のおっかあ
[最終更新日:2019年7月9日]