前回の記事ではチャットボットの紹介と可能性について紹介しましたが、今回はチャットボットの導入が望ましい状況について筆者の実体験を元にご紹介いたします。

電話を置いたらすぐ電話がまた鳴った。疲弊するサポート担当


 筆者は過去に通信系コールセンターのテクニカルサポート担当や社内のITヘルプデスク担当として働いてきてその時感じた事が、朝から晩まで「とにかく電話が鳴りやまない」のです。
 利用者からの問い合わせとして多かったのは、「インターネットにつながらない」や「MicrosoftOfficeの使い方について」などパソコンとネット環境についてだが、場合によっては「他の電話がつながらないからこちらへかけた」とか「違うかもしれないけどわからないからかけてみた」といったサポート外の電話を受けることも多々ありました。

 問い合わせ者はお客様になるので、いくらサポート外であっても回答せねばならない場合もありオペレーターに多大な負担がかかります。心身の負担が原因でオペレーターの離職やコールセンター等の人材不足につながってはクレームの発生率も高まり、負のスパイラルに陥るのではないでしょうか。

利用者を電話させてしまう原因は分かりづらいマニュアルやFAQが原因だ

 オペレーターの立場としては「それ、マニュアルの〇ページに書いてあるんだけどなぁ」って思うことが多々ありました。いくらマニュアルやFAQに書いてあっても利用者が理解できなければ意味がありません。また、マニュアルやFAQは幅広い層の利用者に向けた普遍的なものであるがため、利用者側の知識に委ねられる側面もあります。

 とはいえ、マニュアルやFAQそのものが全面的に悪いとか不十分であるというわけではありません。それらの存在は電話が利用者に対して時間を拘束するのに対し、いつでも都合の良い時に見られる時間を拘束しないツールなのです。

よくある質問や簡単な質問はチャットボットに任せてしまおう


 オペレーターあるあるとして、「何度も同じ質問を受ける」というのがあります。オペレーター自身としては楽な質問なのですぐ答えられるのですが、その簡単な質問ですら工数が発生しています。その結果、問い合わせ数が増えてしまえば結果として電話が鳴りやまないや電話につながりにくいことでクレームが発生して余計な仕事が増えることになりかねません。

 問い合わせ数が多い場合にコールセンターが取り得る行動は主に以下の選択肢となります。

①オペレーターを増員して応答率を上げる
②問い合わせ数を減らすために外部ツールを活用する

 ①の人員を増やすは人を増やして応答率を上げることでサービスレベルを維持する目的でとられる選択です。ですが、近年は人手不足もあって実現が困難な選択ではないでしょうか。
 ②の問い合わせ数を減らす選択は増大する人件費を削減する目的の他にオペレーターひとりひとりの業務負担を削減することを目的とします。以前であればマニュアルやFAQを充実させることが主流でしたが、近年はチャットボットによる対話型のFAQツールが主流になりつつあります。

 日本では「わからなければ誰かに聞く」や「電話をする文化」が根付いていることもあり、コールセンターの役割は非常に大きいものです。ですが、社会の高齢化とIT化が進む昨今では今までのやり方では通用しない状況に変化しています。
 電話からチャットボット等電話以外の手段で問題解決をする文化を根付かせるにはまだまだ時間がかかるでしょう。とはいっても問題解決するまでの時間が電話よりチャットボットが早いとわかればあっという間に広まるでしょうし、広まって欲しいと個人的に願っています。

>>前編”チャットボット導入で電話がつながらない問題を解消する可能性”

[執筆:名古屋のゴーストライター
[最新更新日:2019年2月20日]