「コールセンターに電話をかけてもオペレーターに電話がなかなかつながらない」、「メールで問い合わせしたけどなかなか返事が返ってこない」サービス提供元の会社、社内のヘルプデスク等へ問い合わせをしたら、待ち時間が長かったという経験があるのではないでしょうか。

 電話・メールを受ける企業や部署側としても応答率を上げたり、レスポンスを早くすることで顧客満足度を高めたいところではありますが、実際のところは問い合わせ数に対して人手が足りなかったり、オペレーターのスキルが追い付いていない、応対時間にばらつきがある等の課題があるのが現実ではないかと思われます。

検索エンジンやFAQでは知りたい情報にたどり着きにくい


 多くの人は調べたいことがあればYahooやGoogleの検索エンジンで調べたり、企業や部門サイトに掲載されているよくある質問をまとめられたFAQを見たりするのではないでしょうか。それらの利用メリットは、利用者が任意のタイミングで情報を得ることができることにあります。その一方で、検索結果の膨大な情報から知りたい情報を探さなければいけないため、知りたい情報を簡単に取得できない場合もあるという側面もあります。

 自分で調べてもわからない、時間がかかる、検索は面倒だとなってしまうと知ってる人に聞こうという考えになり、電話やメールで問い合わせをするという行動になるのではないでしょうか。問い合わせを受ける側は似たような問い合わせでもひとつひとつ回答しなければならないため、効率的とはいえなくなります。

利用者はできれば問い合わせをしたくない

 サービスを受ける側である利用者は何も問い合わせをすることが目的ではありません。時間をかけずに困ったことやわからないことを何とかしたいだけであり、自己解決できるなら自分で何とかしたいものです。近年は「ググる」などといった言葉が出てくるように、わからないことは検索エンジンで検索することが浸透するようになってきました。

 利用者が自己解決できるようになれば、問い合わせ数が減るとともにサービス提供元および利用者双方の負担が減らせるのではないでしょうか。

チャットボットが質問に答えてくれる


 チャットボットとは文字通り「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、テキストや音声を利用して自動的に会話をするコンピュータープログラムのことです。利用者がテキストないし音声でチャットボットに質問内容を投げかけると、自動的に回答してくれます。そのため、よくある質問(FAQ)や想定される質問をチャットボットにあらかじめ登録しておくことで簡易的な質問であればチャットボットが即答してくれるため、オペレーターと利用者の双方において負担軽減が期待できます。

 チャットボットが活用されている代表的な例として、LINEの公式アカウントやiPhoneのSiriなどが挙げられます。

チャットボットがオペレーターの代わりになりうるのか


 チャットボットが注目されるようになったのは2016年頃とされており、各種サービスの商品説明やクーポン配布をはじめ社内のカスタマーサポート分野にまで活用されつつあります。ですが、現状はチャットボットが一般的に浸透しているかと言えばまだまだ発展途上と言えるでしょう。

 発展途上の主な理由として、まずあげられるのがチャットボットの導入方法とコスト面に心配がある点ではないだろうか。この点については現在いくつかのチャットボット作成ツールが提供されており、中には無料で作成可能なツールも存在する。そのため、導入のハードルは高くはないが、FAQや想定される質問などの登録が不十分であるとチャットボットが利用されず、かえってオペレーターの負担が増える場合もあるため注意が必要な可能性もあります。

 そして最もチャットボットが発展途上たる所以と考えられるのが、電話とメールで問い合わせる文化が根付いている点ではないだろうか。簡易的な質問であればチャットボットでも回答が可能だと思いますが、高度ないし複雑な質問に関しては人員に頼らざるを得ないのが現状です。そのため、チャットボットがオペレーターの代わりにはなれないが、チャットボットをうまく活用してオペレーターの負担が軽減できれば将来的に顧客満足度の向上ができる未来が来るのではないでしょうか。

>>後編“コールセンターにこそチャットボットの導入が急がれる理由とは”

[執筆:名古屋のゴーストライター
[最新更新日:2019年2月27日]