ツインドリーム第11話

(前号までのあらすじ)
 我孫子市に住む、銀行員である剛は、夢の中で一つの町を築き上げてきた。夢の中で町に現れる女性は、剛に何かを伝えようとしているように感じられた。町は実在するのではないかと考えた剛は、ネット検索のサイトに情報を募る記事を投稿した。
 横浜に住むOL美貴は、繰り返し見る夢に悩まされていた。町はどこかに実在し、何者かが夢によって何かを自分に告げようしているのではないかと美貴は考えた。そして、図書館の大縮尺の地図やネット情報から、美貴はついにあの町を見つけ出す。I町だ。
 剛の投稿を偶然見つけた美貴は、そこでの進展が無いことにしびれを切らし、探している町がI町であることを書き込む。
 その書き込みを読んだ剛は、車でI町を訪れる。
 同じ日、美貴も電車で町を訪れたのだった。

道に映る人影

 その夜、再び美貴はおぞましい夢にうなされていた。
 例の岩場だ。男の人が細いロープのようなもので首を絞められようとしている。苦悶で顔を歪ませながら必死の形相で美貴を見つめる。その右目の下にほくろがあった。自分にとって大切な人がすぐ目の前で断末魔の叫びを上げようとしている。胸が引き裂かれそうなくらいに痛い。
 美貴は助けを求めて叫ぼうとするのだが、自由が利かない。夢の進行を変えることはまったくできそうになかった。美貴の意志とは関係なくいつものシーンが展開し、それを見せ付けられるだけだった。恐怖と絶望で気が遠くなったとき、目が覚めた。
 寝巻きがわりのTシャツが寝汗をじっとりと吸っていた。ベッドから抜け出して着替えを取り出す。
 このところ、夢はあのおぞましい場面で終わるのだった。自分自身が町役場らしい場所で働いている場面や、あの男性と一緒にドライブを楽しんでいる場面など、ほかにも色々なシーンがあった。が、行き着くところは、あのシーンなのだ。

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高野家……