ツインドリーム第14話

(前号までのあらすじ)
 我孫子市に住む銀行員、剛は、夢の中で一つの町を築き上げてきた。剛は、町は実在するのではないかと考え、ネット検索のサイトに情報を募る記事を投稿した。
 横浜に住むOL美貴は、繰り返し見る夢に悩まされていた。町が実在し、何者かが夢によって何かを自分に告げようしているのではないかと考えた美貴は、ついにその町の所在を突き止める。茨城のI町だった。
 剛の投稿を偶然目にした美貴は、名を偽り、探している町がI町であることを書き込む。書き込みを見た剛は、車でI町を訪れる。同じ日、美貴も町を訪れていた。
 夢の中の女性に導かれるようにして向かった岩場で、剛はついに美貴と出会う。二人が互いの経験を語り合うなかで、世にも奇妙な仮説が浮かび上がる。
 そして、二人はI町を再訪する。美貴は、必ず謎を解くという固い決意を胸に秘めていた。

無数の手

 柏インターチェンジから常磐自動車道に入る。二週間前に比べると、車の量が心もち増えたように感じられた。夏休みの季節に入ったためかもしれない。
「それは一九九六年三月のこと。そうだとすると、あの夢の秘密を明らかにするためには、取っ掛かりとして、あの町でその頃に亡くなった人たちを探すことから始めることになるんだろうと思う」
 美貴は前を向いたままでいた。剛は、『殺された』ではなく、『死んだ』という言葉を最初に遣おうとしたようだった。そして、それをさらに『亡くなった』という言葉に言い換えた。そのことの意味を美貴は考えていた。美貴が見た夢の内容からすると、それは、とても亡くなったと言えるような状況ではなく、かなり凄惨なものであったはずなのだ。